うさぎの時代庵

時代小説、時代劇の作品感想を書いています。司馬遼太郎、海音寺潮五郎作品が大好き。新選組、幕末物が大好き。

「土方歳三・孤立無援の戦士」 新人物往来社編

私は15歳から土方歳三さまファン。このまま、たぶん、死ぬまでファンです。

だから、土方歳三さまが登場する本や映画やテレビは全部見たい、読みたい。歳三さまの生き様を調べたい。歳三さまが生きてきた道をたどって、京都だろうと函館だろうと多摩だろうと、跡地を訪ねたい。その空気に触れたい。

そんな気持ちを、この本は思いっきり受け止めてくれます。

16名の歳三さまファンが、いろいろな角度から歳三さまのことを書いています。それぞれのパッションをぶつけています。ああ、私と同じ思いを持つ人達がこんなにいるのだなあって嬉しくなります。エッセイだったり、小説だったり、旅行案内だったり、漫画だったり。どんな形であっても、歳三さまへの愛が溢れています。

 

あとがきで筆者に一人である横山登美子さんが書いています。

そう、この本は、土方歳三様への恋文、ラブレターなのです。

 

私のオススメは、村上亜希さんの「浅葱色の奇跡―京阪の史跡を歩く」。これは、歳三さまの歩いた道をたどりたい(特に京都方面)という方にはオススメです。かなり、マニアックに案内してくれます。

 

それから横山登美子さんの「映像に見る土方歳三―私の新選組映画小史」。この中で、横山さんは、栗塚旭さんこそ最高の土方歳三役者であり、昭和40年のテレビシリーズ「新選組血風録」と、昭和45年の「燃えよ剣」が、新選組モノの白眉であると、書いています。私もまったく同感です!!付け加えるなら、島田順司さんも、最高の沖田総司役者だと思います。

 

横山さんは、「司馬氏は、幕末という時代、新選組という集団を描き、土方歳三に生命を与えた。従来の冷酷非道、陰湿な策謀家といったイヤなイメージを一掃し、新しい土方像を彫り上げたのである。」と、司馬遼太郎さん作品の素晴らしさも讃えています。これもまったく同感。司馬さんも、昭和40年の「新選組血風録」の出来には満足なさったそうです。

 

この本を読んでいると、土方歳三さまへの愛がふつふつと燃えてきます。