2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧
柴田さんは痛快でちょっとニヒルな時代小説を書かれますね。けっこうエログロナンセンスみたいなシーンも描くけれど、女性への永遠の憧れみたいなものを隠しつつ、という感じがいいです。 歴史の王道を歩く人物ではなく、クールに時代に背を向けて生きる主人…
面白かったです!秋山さんの新選組モノでは私はこの本が一番好きです。 通常、新選組ものでは主役にならない井上源三郎さんが主役で、しかも「捕物帖」ですから、探偵チックなのです。 新選組の歴史を時間をおって書いていくのではなく、源さんの京での日常…
号泣新選組漫画。何回読み返しても、ラストで号泣。もう泣けて、泣けて・・・。 1975年、週間マーガレットに連載された作品なので、かなり昔の作品です。名匠木原敏江先生の入魂の作品。でも、連載は7ヶ月で打ち切りになり、木原先生はかなり悔しかったよう…
これは、歴史SFともいうべきジャンルですかね。 主人公の桃井初音さんは、古い物に触ると、その過去へ意識が飛んでしまうという、意識だけタイムトラベラーのような能力があります。彼女が新選組ゆかりの古い備忘録に触れて、幕末の池田屋に意識が飛び、松…
いまも松平容保の怨念は東京銀行の金庫に眠っている。 東京銀行ということは、今の三菱UFJ銀行ということですね。 「王城の守護者」とは幕末、京都守護職にあたった会津藩の松平容保のことです。嫌だったけど無理やり幕府の命により、幕末京都の治安維持…
アマゾンプライムで岡田准一が土方歳三様を演じる映画「燃えよ剣」の配信がスタートして(2022年6月22日現在)、最近土方歳三熱がぶり返している私です。 この「土方歳三散華」は土方歳三様の、池田屋事変後から、五稜郭で戦死するまでの生き様を描い…
幕末編と賊将編の2冊です。 幕末に人斬り半次郎と言われた薩摩の中村半次郎。維新後の名前が桐野利秋。半次郎の一生を描いた池波先生の力作です。司馬遼太郎先生が書く半次郎と、全然違うのですよね。池波作品の半次郎は、半分は女性と戯れております(笑)…
土方歳三無頼控、六巻で一応終わりのようです。六巻で、土方歳三たちは、京都へ旅立ちます。京都へ旅立った後は「新選組」として忙しい日々が始まりますから、謎解きをしている暇は歳三様にはなくなりますから、ここで「無頼控」はエンドということなのでし…
とても面白かったです! 新選組モノの快作に出会えました。三つの連作で、二巻は「覚悟」で、三巻は「奮闘」です。 京都時代の新選組については冒頭池田屋事変の場面が出てくるだけで、あとは江戸の試衛館時代の土方歳三様の成長し、覚悟を決めて、自分の道…
大盗賊になる前の石川五右衛門(この本の中では文吾)の話かと思いきや、和田さん創作の無門という名の忍者が主人公。 和田さんの一作目「のぼうの城」の方が評判高いようですが、私は物語の深みとしてはこちらの「忍びの国」の方があると思います。「のぼう…
加藤さんの「信長の棺」は面白かったですねえ。本能寺で明智光秀に攻められて死んだ織田信長だが、実は本能寺で「是非におよばず」とかいって自殺したわけではなく、抜け穴から本能寺を逃れたが、しかし結局・・・。そして、信長の死の真相は豊臣秀吉が知っ…
この本は司馬さんが自分の歴史観や歴史上の人物についての思いや、自分の作品の成り立ちなど、さまざまに語ったものを編集したもの。司馬さんのナマの声がたくさん詰まっていると思います。土方歳三様のこと、坂本竜馬のこと、西郷隆盛さんのこと、織田信長…
西南戦争についての小説集。もう、この本ほど、当時の薩摩の実情、人々の気持ちを表現しえた本があるだろうか!?いや、ない!と、私は思います。もう、涙なしには読めませんよ、この本は。西南戦争に関する時代小説の中ではナンバー1!だと思います。 この…
「青嵐」とは俳句の初夏の季語。この作品が木内さんの処女作であり、文学賞を取った「茗荷谷の猫」という作品の前に書かれたものです。そして、この本を読んでわかったのは、木内さんが新選組大好きだってことと、沖田総司大好きだってことです。いえ、そう…
前にこのブログで紹介した海音寺潮五郎先生の「幕末動乱の男たち」。その下巻の最後に、海音寺先生ならではの、幕末の人斬りと呼ばれた3人の剣客についての史伝が載っています。これが、とてもオススメなのです。 人斬り○○○と呼ばれた3人、田中新兵衛、岡田…
三好さんは幕末の人物をテーマにした小説を幾つか書いていますが(沖田総司や桐野利秋など)、この「土方歳三」が一番秀作ではないでしょうか。 本人もあとがきで「歳三からお前さんにしてはよくやったよといわれるのではないかと思っている」と書いています…
海音寺先生の幕末テーマの史伝。有名どころからちょっとマイナーな方まで、幕末に活躍・暗躍した人たちをとりあげている史伝集。海音寺先生は素晴らしい小説も書かれますが、史伝は本当に筆が際立っていると思います。綿密な文献調査に基づき、作家としての…
「恋する」という枕詞がちょっと気恥ずかしいですが、この本は、まさに青春純愛時代小説です。少女向けに書かれた本ですが、「花天新選組」と同様、越水さんの少女たちへ向けた大切なメッセージがたくさんこめられていて、大人でも読み応えあります。ぐっと…
鳥羽伏見以後の土方歳三さまの人生を、様々な登場人物をからませながら最期まで描いた大作。この本、ぶあついです。厚さ10センチくらいあります。秋山さんの力の入れようがわかります・・・。 この本は歳三さまが主人公ですが、その周囲を過ぎていく登場人物…
洛中篇、激斗篇、落日篇、戊辰篇、函館篇の全5冊。広瀬仁紀先生が、新選組副長土方歳三の生涯を余すところなく描いた力作です。歳三さまの生涯を、歳三さまの小姓である忠助の目から描いています。 歳三さまが猫っかわいがりしている沖田総司も出てきますが…